公務員が選ぶ住宅ローンとは?住宅ローンのポイント・注意点
公務員が選ぶ住宅ローンとは?住宅ローンのポイント・注意点
多種多様な職業の中でも「安定感のある職業」と聞けば真っ先に名前が挙がるのが公務員ではないでしょうか。原則的にはリストラがなく収入の安定している公務員は、住宅ローンの審査に通りやすいとも言われています。今回は、そんな公務員が住宅ローンを選ぶ際のポイントや注意点についてご紹介します。
公務員が住宅ローン審査に通りやすいのはなぜ?
冒頭でも触れましたが、公務員は民間の会社員や自営業、非正規雇用と比較して住宅ローン審査に通りやすい職業だと言われています。その大きな理由は以下の2つです。
安定した収入が得られるから
住宅ローン審査とは、言い換えれば契約者の返済能力についての審査です。ですから最も重視されるのは安定的な収入環境があるかどうかという点であり、その点で見ると公務員は高い評価を得やすい職業と言えます。
ボーナスや退職金が確実にもらえる
また、多くの職業では業績によって変動しやすいボーナスや退職金についても、公務員の場合大きな変動は少ないことが予想されます。その点も継続的な返済能力があるという評価がされ、住宅ローン審査に有利に働きます。
公務員で住宅ローンの審査が通らない場合とは
公務員は審査に通りやすいというのは事実ではありますが、もちろん公務員という肩書だけで審査が通るほど、住宅ローン審査は甘いものではありません。公務員でも審査に通らないことも起こります。よくあるケースを以下に3つご紹介します。
健康状態の問題
住宅ローン借り入れの際には、その多くの場合「団体信用生命保険」(以下、団信)への加入が条件となっています。団信とは、ローン契約者が返済中に死亡もしくは高度障害に陥った場合に保険会社に残額を補償してもらう保険です。これは一種の生命保険になりますので、その加入には契約者の健康状態が重視され、ひいてはローン審査の重要項目となります。
信用情報
各金融機関は審査の際、必ず個人信用情報を確認します。個人信用情報とは、クレジットカードやローンの契約などの信用取引に関する信用履歴です。この履歴に異動(いわゆるブラックリスト)や度重なる返済の遅れなどがあった場合、住宅ローン審査で不利に働きます。個人信用情報機関はCIC、JICC、KSCと国内に3つの機関があります。不安のある方は一度自らの信用情報についてそれぞれ確認しておくと良いでしょう。
他への借り入れ
車のローンやクレジットカードのリボ払いといった他の借り入れがある場合、その分を考慮し、住宅ローンの借り入れ可能額が算出されます。つまり、既に大きな借り入れをしていればしている程、その上限は低くなります。審査に通ったものの希望金額を借りることはできなかったというのは、審査に有利と言われる公務員においてもよく見られるケースです。
公務員が住宅ローンを選ぶ際の注意点
審査に落ちるケースを踏まえた上で、次に公務員が住宅ローンを選ぶ際の注意点について見ていきましょう。
公務員の住居手当は持ち家には該当しない
これまで賃貸住宅に住んでいた方が一戸建てを購入する場合、最初に考えたいのは公務員の住居手当(住宅手当)が適用されなくなるという点です。一部、持ち家に手当が出る自治体も存在していますが、全国的に廃止の方向で進んでいます。住居手当が出る賃貸と、資産となる持ち家。生活バランスを考えた上で住宅購入の検討へと進みましょう。
低金利でサービス充実している住宅ローンを選ぶ
住宅ローンには大きく分けて「変動金利型」「固定金利型」の2種類があります。そのどちらを選択するかは、今後の返済計画を立てる上で大きなポイントです。ざっくりと言えば「変動金利型」は金利の上昇などリスクはありますが、借入時は固定金利型に比べて低金利で設定されています。反対に「固定金利型」は借入時の金利は一見高く見えますが、金利が変動するリスクがなく安定した計画を立てることが可能な住宅ローンです。
どちらが良いとは一概に言えませんが、公務員のような住宅ローン審査での評価が高くなりやすい職業であれば、優遇金利も受けやすく低金利の変動型を選択し、積極的な繰り上げ返済による支払額総額の減額を計画的に行うのも一つの方法でしょう。また、ローンによっては健康上の特約などさまざまなサービスが付随するものもありますので、それらをじっくりと比較し選択することも大切です。
公務員におすすめの住宅ローン「フラット35」
ここまで公務員の安定性についてご紹介してきましたが、これは言い換えれば大きく収入が下がることもなければ、上がることもないということです。つまり、先にご紹介した変動金利型によるリスクが大きなデメリットと映ることもあるでしょう。そんな方におすすめしたいのが全期間固定金利型の「フラット35」です。
フラット35とは
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して提供する、最長35年の全期間固定金利型の住宅ローンです。全国の金融機関から申し込むことができます。
フラット35の特徴
フラット35の最も大きな特徴は、全期間固定金利という点です。これにより返済額が一定で返済計画を立てやすくなるというメリットがあります。一方で将来金利が下がった場合でも返済額が変わらない、初期設定される金利が変動型に比べて高く、支払総額が高く感じられるというデメリットもあります。
公務員の方におすすめの理由
一般的に長期の返済計画を立てることとなる住宅ローンは、これからの生活で大きなウェイトを占める支出となります。その大きな支出を安定させるフラット35は、同じく安定性が強みの公務員と非常に相性が良いことは間違いないでしょう。計画性を重視し安定性を求める方であれば、おすすめしたい組み合わせです。
最後に
今回は公務員の方が住宅ローンを選ぶ際のポイント・注意点についてご紹介しました。その基本はどの職種であっても変わりませんが、審査の面で有利に働きやすい公務員だからこそ、その強みをしっかりと抑え、それぞれのライフスタイルに合った住宅ローンを選ぶことが大切です。人生の一大イベントになり得る住居購入。計画的に納得のいく形を選んでください。